『素描18』
寂しくなれば道を歩き、また、痛々しくあれば家に戻る。
地面に落ちている紙パックは誰かが手で握り潰したのであろう。
父親が娘の結婚を許さない時のように少し滑稽めいた形をしている。
頬の奥を腫らす親知らずは日毎にひどくなる。
舌を左にのばし触れると同時に、子どもが悪戯をしている姿が浮かんでくる。
小さな提灯を見つめて捻じ曲げた想像、おおよそ妄念みたいなものを愛でる。
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選択・意志表示に巻き込まれた
連絡・心配と手を繋いだ
変革・屋根瓦を壊した
選抜・天狗の分かれ目をみた
見学・みてみぬ安堵を覚えた
先発・後ろを気にする機会をもった
メンタル・位相の境目に落下した
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寂しくなれば道を歩き、また、痛々しくあれば家に戻る。